バイオグラスの開発経緯

殺菌処理に使用する水を安全に

バイオグラスの開発は、大手食品会社からの「食肉加工の過程で使用する水について相談したい」という相談から始まりました。食肉加工における殺菌処理は、通常薬剤で行います。動物がもともと体内に持つ大腸菌やサルモネラ菌などを完全に殺菌するには、かなり強力な漂白剤を使用することになります。その際に副産物として、人体に害を及ぼす塩素が残ることが、メーカーにとって大きな課題でした。

より多彩な分野でバイオグラスを活用するために

弊社は、水の殺菌効果の向上を念頭に、ガラスの研究開発を開始しました。試行錯誤の約1年間を経て、最終的に黒と緑のガラスを組み合わせることで特殊の効果を発揮するバイオグラスを完成。バイオグラスを用いた水処理システムは、食肉の除菌、鮮度保持、工場内の消臭などに目覚ましい効果をあげました。大手食品メーカー様からは、技術を独占的に使用したいとのお申し入れとともに高額な契約料もご提示頂きました。しかし弊社はそれをあえてお断りしました。なぜなら、弊社が目指すのは、このガラス技術の活用によって地球環境や人々の健康に貢献すること。限られた業界や企業様だけでなく、より多彩な分野での活用の可能性を探りたいと考えたからです。

触媒としての働きに着目

バイオグラスによる殺菌処理システムの成功は、弊社にとり、大きな一歩となりました。続いて弊社が着目したのが「水に作用して表面張力を弱める」という、バイオグラスの触媒としての働きです。実験と検証を重ねるうち、バイオグラスを車両のエンジンや工場のボイラーなどの内燃機関の冷却水や燃料に接触させると、燃料や水が改質することが分かってきました。そこで当社は、この性質を利用して燃焼効率をあげて燃費を改善したり、排ガスをきれいにする製品を開発しました。製品をお使い頂いた事業所や個人のユーザー様からは、高い評価を得ています。

農業・花卉栽培・飲食業・流通業で

今後当社が注力していくのが、より広い分野での活用です。現在、すでに農業分野では、良好な成果を得ています。バイオグラスを使った水処理システムを利用すると土壌が改善され、発芽が速まるとともに、葉や根が生き生きと丈夫になることが確認されています。イチゴやアスパラの栽培でバイオグラス活水器を利用したところ、収穫量も大きく向上しました。また、水質が改善する特徴に注目し、活魚水槽にも使用しました。水槽の水をバイオグラスで処理した水に変えた後は、日を追うごとに水槽の汚れがとれ、魚やエビが元気になる様子が観察できました。

殺菌処理に使用する水を安全に

バイオグラスの開発は、大手食品会社からの「食肉加工の過程で使用する水について相談したい」という相談から始まりました。食肉加工における殺菌処理は、通常薬剤で行います。動物がもともと体内に持つ大腸菌やサルモネラ菌などを完全に殺菌するには、かなり強力な漂白剤を使用することになります。その際に副産物として、人体に害を及ぼす塩素が残ることが、メーカーにとって大きな課題でした。

開発者History 〜 「ガラス」と向き合い、環境貢献型の技術革新に挑む

機能性特殊ガラス「バイオグラス」開発者=(株)創生社長・松尾靖隆が「ガラス」の魅力に出合ってガラスをライフワークとし、「バイオグラス」を開発するに至った経緯を以下にご紹介します。
注)株式会社 日本・環境、創生エムエスカンパニーは、「バイオグラス」開発会社・株式会社 創生の創立者=松尾靖隆の志を受け継ぐ開発・研究・販売・施工会社です。

“1350℃世界”との格闘。ガラスづくりの現場で培われた勘

“1350℃世界”との格闘。ガラスづくりの現場で培われた勘
東京の芝浦工業大学大学院卒業後、神奈川県にあるガラスメーカー・オハラに入社。研究部門に配属され、より実践的にガラスの研究に取り組むこととなる。
入社後、新人はまず製造現場へ配属される。熟練の職人の長年の経験と、勘に裏打ちされた確かな技術がガラスづくりを支える最前線だ。そこで新入社員の松尾がまず職人たちに指示されたのが「溶融炉を見て何℃か当ててみろ」ということ。溶融状態のガラスを見て、何℃かを正確にトる。しかし慣れない新人だと、最初は± 50℃もの誤差が出てしまう。ここで松尾は繰り返しガラスの溶融状態=「顔つき」を見る訓練を積んだ。やがて勘が養われ、溶融ガラスの色や状態を見ただけでほぼ正確に温度が判断できるようになった。この経験は、現在の製品開発にも生かされている。今では溶融状態のガラスから、製品となった際のイメージ・善し悪しが想定できるという。

アポロ宇宙船の窓枠開発・厚さ20cmのガラスの冷やし方

オハラ在籍時代に携わった特筆すべき業務の1つが宇宙船アポロに使う窓ガラスの開発だ。宇宙船の窓は、厚さ20センチ。ガラスは薄い製品なら、通常は溶融状態から型にまとめた後に急速冷却する。しかし厚いガラスの場合は急速に低温化しても一度ですべて冷やすことは不可能だ。表面と内部の温度差が生じて、冷えて固まったときにゆがみが生じてしまう。ゆがんだガラスはわずかな衝撃で破損しかねない。宇宙空間で窓ガラスが割れでもしたら、大惨事につながる。
開発過程では、表面と内部をいかに均等に冷やしていくかが大きな課題となった。アポロ宇宙船用の窓ガラスは、厳密に温度管理された環境下で、600℃くらいの状態から約1年半かけて少しずつ冷やしていく方法がとられた。

公害問題勃発。カドミウムの代替となるガラスづくりを

若き松尾がオハラの研究部門で日々ガラスと向き合っていたころ、折しも日本は戦後の高度成長期のただ中にあった。工業品としてのガラスは、安く作れることを前提に量産時代にあり、原材料の安全性など重要視されていない時代だった。
しかしイタイイタイ病が問題となり、カドミウムが原因とされ日本国内で、工業製品の原材料や製造過程で発生する「有害物質」への関心が一気に高まった。ガラスも例外ではない。当時の高額レンズにはカドミウムやトリウムなど人体に有害とされる物質が使われていた。松尾がオハラで取り組んだ第2の大きな課題が、これらに変わる安全な物質を使ったガラスの開発だ。
さまざまな代替材料を使った研究過程において松尾は、溶融状態にあるガラスがどんな成分で構成され、何度でどんな顔つきを見せ、どんな性質を持つガラスになるかを経験則として身につけていった。同時に「天然鉱物」を使用して作るガラスへの関心も高まった。
松尾は言う。「同成分、同環境で作ったとしても、おなじ『機能』を備えるガラスができあがるとは限らない」。この言葉はバイオグラスが、単なる「色付きガラス」にとどまらないことを意味する。同じ組成の成分でも、天然鉱石から抽出するものと、人工的に形づくられたものとでは、完成したガラスが全く異なる性質になるというのだ。
バイオグラスの販売を開始したばかりのころだ。1カ月もたたないうちに、中国で、見た目が同様のガラス玉が出回った。松尾にさえ完成品を見比べて区別がつかないほどだ。だが、原材料の入手先や製造過程を知る由もない中国メーカーが、バイオグラスと同じ性質を備えるガラスを作れるはずはない。案の定、あっという間に市場から姿を消した。

研究開発の過程で輪郭をなしたビジョン→「天然鉱石」を使ったガラスを

オハラで経験を積んで30歳にならんとするころ、父親が体調を崩したことから松尾社長は故郷の福岡に帰った。この際、一度ガラスとの関係をリセットし教鞭をとる。だがガラスへの思いを断ち切れず、服部セイコー(現セイコーホールディングス)の子会社であるマルティグラス株式会社に就職。置物や花瓶などに使用するガラスの研究に携わり、100種類以上の色ガラスを開発した。
やがて実績が認められて常務へと昇進。出世と同時に製品開発の現場からは徐々に遠ざかることになった。松尾氏にとり、これが転機となった。現場から離れたことで、より一層ガラスへのこだわりはより強くなった。同時に、天然鉱石を材料としてガラスを作り、これを環境の改善に役立てたいとの思いが、徐々に輪郭をなしてきた。
そして思いを発展する形で1996年に、創生を設立。バイオグラスの開発がスタートしたのだ。

環境貢献型利用の拡大に向け、液体のみでなく気体への可能性も視野に

現在バイオグラスは、普通乗用車の燃費向上カーアイテム「BioGlass for Cars(旧製品名CAR-UP」として製品化されている。農業分野で活用する試みも進行中だ。たとえばイチゴの水耕栽培。バイオグラスを用いた活水器を使用したところ、生育と収穫が早まり糖度が1.6から1.7倍ものイチゴが、通常の20〜30%増で収穫できた。肥料が少量だったにも関わらず丈夫に育ち、また虫がつきにくくなったことから、農薬の使用も少量で済んだという。
現在バイオグラスは、水を改質して様々な分野で活用する方向で製品開発が進んでいる。大型車専用フィルター、船舶用フィルターなどはすでに製品化されている。また、ボイラーの燃費削減装置「スチュワード」でも良好な実験結果を得ている。

開発者の声

バイオグラスの原料の一つである石英長斑岩は、古来中国では貴重な内服薬として扱われてきました。それをどうしてガラス化しようとしたのか?その時なぜ、磁鉄鉱とのマッチングを創造したのか?
発明や開発ストーリーにはたくさんの不思議、シックスセンスがあります。「バイオグラス」をはじめ、「耐熱性カラー硝子」、「除冷に2年かかった宇宙船の窓ガラス」など、その開発の陰にはたくさんの無駄、時間、汗があります。
それでも開発に取り組み続けたのは、「ガラスを研究すれば、必ず地球環境に貢献できるものが作れる。元来、地球は天然鉱石と微生物のみが存在していたのだから。」と考えたからです。
化学物質に汚染された現代社会を、化学物質で力づくで治療・治癒しようとするのではなく、天然鉱石が持つ自然の力を引き出すことで、その力を借りて、少しでも元の健康な状態に戻せるはずだという信念があったからです。

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◆名 称 エコプロ2016 ~ 環境とエネルギーの未来展[第18回]◆会 期 2016年12月8日(木)~10日(土) 10:00~18:00 [最終日(土)は17:00まで]◆会 場 東京ビッグサイト[東ホール]

2016.07.21

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