バイオグラスの特性
バイオグラスの化学組成〔バイオグラスの構成物〕
遠赤外線放射特性
※遠赤外線放射率:ある物質の表面から放射するエネルギー量と、同温度の黒体から放射するエネルギー量の比率のこと。放射率は物質によって、また物質の表面の状態によって変わります。遠赤外線放射率の数値が高ければ、それだけエネルギーを有効に放射していることになります。
親 水 性
一般ガラス・バイオグラスそれぞれの表面に水滴が接触した際の、水滴の盛り上がり度合い(以下接触角)を下図に示します。バイオグラスの、ガラス平面上の水滴の接触角を測定すると、緑が4〜6度、黒が20〜30度となります。一般的なガラスは62度なので、極めて低いことが分かります。水滴の盛り上がり度合いが低ければ親水性が高い、つまり水分がなじみやすい状態だといえます。これは、水の表面張力が弱くなり、水分子の結びつきが弱くなっているからだと考えられます。特に緑は超親水性(=極めて親水性が高い)を示しました。緑のバイオグラスの上にスポイトで水をたらしたところすぐに側面に流れ落ち、水滴にはなりませんでした。
※親水性:一般には水に溶けやすい状態をいいます。個体の場合は表面に付いた水が玉のような水滴になったりはじいたりせず、薄く広がって水の膜をつくったり水滴の接触角が低い場合「親水性が高い」といえます。
▲一般ガラス・バイオグラスそれぞれの表面に水滴が接触した際の、水滴の盛り上がり度合い▲
PHの値
バイオグラスを水に浸漬すると、PH度が上昇します。
PH値の測定
バイオグラス、麦飯石と磁鉄鉱に蒸留水と濃度30%のクーラントに24時間沈積させ、前者を組み合わせた8種類の液体を使用する。
注:バイオグラス溶液(ガラス玉8個、50ml)、ベース液体(50ml)、磁鉄鉱と麦飯石液体(ガラス玉4個、50ml)
蒸留水ベース | クーラントベース |
PHの測定結果
バイオグラス浸漬水をベース液 体と比較しました。 |
バイオグラスの安全性
バイオグラスの安全性は、バイオグラスが接触した水の水質検査により実証されています。飲料水と問題ないのをはじめ、下記の事が確認できました。
・飲料水としても問題ない
・重金属等の有害物質を含まない
・放射線を出さない
重油に及ぼす影響
受託研究機関の分析試験結果により、バイオグラスが燃料に及ぼす機能として、燃料の引火点の変化の変化が確認されています。実験結果によると、燃料の引火点が76度から70度に低下しました。
脱臭作用
バイオグラスの周囲での脱臭効果が確認されています。一般ガラス容器とバイオグラス容器を用いたアンモニア臭測定実験で、バイオグラス容器のほうが、明らかに減少効果が高いという結果が出ています。
除菌・抗菌効果
バイオグラスの原材料となる麦飯石には、除菌・抗菌効果が確認されています。菌の繁殖状態の、経時変化を比べてみると麦飯石の上に設置したほうが、普通のガラス上よりも明らかに少ないのが確認できます(下写真)。このことから、麦飯石には雑菌の繁殖を妨げる作用があることを想定できます。
※緑濃菌:毒性の低い細菌だが、強い薬剤抵抗性を持つのが特徴。免疫力の落ちた人の多い病院内などで院内感染により「緑膿菌感染症」が発生することがある。
大腸菌 | 緑濃菌 |
菌の繁殖を抑えるだけでなく、菌を除く効果があることも実験の結果より明らかになっています。上のグラフは、緑濃菌を普通ガラス・麦飯石ガラスそれぞれに設置し経時変化を測定したものです。その結果、麦飯石は、時間が経つにつれ雑菌が減少するという結果を得ました。
管内のスケール・錆の除去効果
バイオグラスを使った配管に用いた場合の錆の剥離状況の変化